「離婚なんですけど 費用おいくらですか」
カテゴリー:法律余談 更新日時:2016年8月24日
弁護士は弁護士報酬を頂いて仕事をするのが原則です。
弁護士報酬とは弁護士がお仕事をする際の代金になります。通常はお仕事をする際に必要な経費(交通費や裁判所や役所に支払いを要する費用)とは別です。
弁護士は受任に際し、弁護士報酬を依頼者に説明することになっています。
弁護士報酬は個々の弁護士が定めて依頼者や相談者が承諾されて定まります。弁護士費用という言葉も使われていますが、弁護士報酬の同じ意味のときと先の費用と弁護士報酬を合わせたときとあるみたいですね。
そこで本題ですが、たまに、お話もそこそこに「離婚なんですけど 費用おいくらですか」とか「貸しているマンションの賃料取立てなんですけど・・」というふうに「ざくっと」弁護士報酬のご質問を頂戴します。報酬の目処をつけて、知人友人をご紹介されようとしたり、他の弁護士の報酬との高低を手っ取り早く見定めようとされているかもしれません。
弁護士報酬は、事件によって金額が違います。請求したりされたりする内容(金銭的な評価)や想定される手間、関連した案件を以前、または現在お受けしているか、にもよるわけです。例えば、離婚の請求をするにせよされるにせよ、離婚ができるかどうか、金銭的な清算(財産分与など)や慰謝料、お子さんが居る場合は親権をとれるかどうか、養育費の金額などにより、さまざまです。先方が非を認めているときと一から立証する場合、財産がはっきりしているときと調査が必要な場合など弁護士の仕事量は相談内容により大違いです。また以前、離婚だけをお受けしすでに弁護士報酬を頂戴しており、今回改めて、慰謝料請求を追加してご依頼される場合も、一からご依頼を受ける場合よりは弁護士報酬を低く抑えるときもあります。
たしかに類似事件の経験から一律またはある程度の幅で間をおかず即答できるものもあります。しかし多くの場合は違います。
そのためさきほどのご質問には「案件によります、別途、お話をお聞きしてから、お示しします。」とお答えすることになります。もちろん、依頼者、相談者にご了解いただくことが前提です。
ですが、金銭的余裕がなくお困りになって弁護士の手助けが必要なかたは、私はできるだけお力になりたいと思っています。依頼者の方がお支払いのできる範囲で、お支払い時期も含めて柔軟にご相談に応じることを心がけています。
ポイント(弁護士報酬)
- 案件しだいで変わる。請求したり、されたりする内容、金銭なら額、不動産なら不動産の価値、離婚なら慰謝料などの金額、立証の要否など、弁護士が遂行する時間、手間など、でも変わってくる。
- 依頼者にはあらかじめ弁護士報酬を説明し、目処を示すことが求められている。
- 事件の深刻さなどを考えて、依頼者のお支払いができる範囲で調整することもある。